日本酒大好き“おときさん”山田錦の郷…北播磨との絆大切に 加西市でコンサートを開催♪

 
加西市制55周年記念
加藤登紀子 日本酒の日コンサート2022
~~果てなき大地の上に~~ 

 令和4年10月1日(土)開催される「加西市制55周年記念 加藤登紀子 日本酒の日コンサート2022」に先立ち、8月21日(日)加藤登紀子さんを迎えて、記者発表&混声合唱団ヴォルケとの合同練習が加西市民会館で行われました。加西市の印象やコンサートへの想い、最新アルバム「果てなき大地の上に」や『百万本のバラ~ロングライブバージョン~』について伺いました。

 

文化の基本、農業×酒造り
日本の原風景が残る加西市を巡って 

 長きにわたり多可町でコンサートやお米づくりをされてきた加藤登紀子さん。加西市でコンサートを開催するにあたり、まだまだ暑さ厳しい8月21日、加西市内を巡りその印象を語られました。
 
 市内の酒蔵 富久錦を訪問され「日本酒造りを丁寧にご説明いただき、いつも気軽にお酒を楽しんでいるのに、こんなに大変な工程があることを知り“心して飲んでいたか?”少し反省しました」と、日本酒好きの加藤さんならではの日本酒造りへのリスペクトが…。また鶉野飛行場や防空壕を見学され、とても感動された様子。「農業×酒造りという文化の基本ともいうべきものがあり、戦争遺跡も残る。加西市を巡ると、まさに“日本のふるさと”を感じます。残るべきカタチ、残すべきモノがここにはありますね」と、初めての加西市訪問の感想を述べられました。

 

コンサートのサブタイトルにもなっている
New Album「果てなき大地の上に」

 コンサートでは、“生きてきた時間のすべてを込めて、ロシアのウクライナ侵攻という現実に向き合ったアルバムになった”と言われるウクライナ支援チャリティーアルバム「果てなき大地の上に」の曲を中心に構成されます。
 
 ライブでは日本語の語りをつけて歌っておられたそうですが、レコーディングの許諾はおりず、今回初めてアルバム収録されたジョン・レノンの不朽の名作『Imagine』。結婚された1972年の新鮮な風景を思い出したいと収録された『海からの願い』。そして、『声をあげて泣いていいですか』『なじょすべ』『花はどこへ行った』といった時勢を鑑み、加藤さんの今の心情を歌に載せた曲を聴くことができそうです。
 
 そして、アルバムタイトルになっている『果てなき大地の上に』は、中国の画家王希奇さんの描かれた「一九四六」という絵に衝撃を受けて歌詞づくりをスタート。それは第二次世界大戦後、中国に残留した数百万人の日本人が、朝鮮半島の葫蘆島の港から、日本に向かう船に乗り込み、引き上げた時の記録写真をもとに描かれた、幅20m、縦3mの巨大な絵。ハルピンから引き上げられた加藤さんもまた1946年、この葫蘆島から佐世保へと向かわれたそう…。そんなご自身の経験と、ウクライナから国外へと避難する人々の苦悩を重ね合わせ、アルバムタイトルとされました。

 

平和への祈りを込めて、混声合唱団ヴォルケと
『百万本のバラ~ロングライブバージョン~』を大合唱

 コンサートの大トリとして歌われるのが混声合唱団ヴォルケと合唱する『百万本のバラ~ロングライブバージョン~』。8月21日の合同練習では初めての顔合わせにも関わらず、十八番である『ほらね』を堂々と披露した後、コンサート当日をイメージして加藤さんとともに『百万本のバラ~ロングライブバージョン~』を合唱。その歌声に加藤さんは「素晴らしい! みなさん自分しか歌ってない気持ちで歌ってらっしゃる(笑)その表情を見て、いい人たちに会えたなぁ…と思いました」との感想を述べられました。

 

 加藤さんが大切に歌い続けておられる『百万本のバラ』は、1981年ソ連時代のラトビアで生まれた子守唄『マーラが与えた人生』がベースになっています。それをソ連の反体制派詩人ボズネセンスキーが、ジョージアの画家ニコ・ピロスマニの悲劇的な人生をもとに作詞、アーラ・プガチョアが歌って大ヒットしました。貧しい画家が恋する女優に広場いっぱいのバラを贈ったというlove songですが、広場いっぱいに集まったバラ(=人々)の強い想いが重層し、ソビエト連邦が15の独立国となる気運ともなった、ペレストロイカを代表する曲でもあるのです。
 
 今回、合唱する『百万本のバラ~ロングライブバージョン~』は2015年の加藤登紀子さんの50周年コンサートで、200人のコーラスとともに歌われた音源を収録したライブ録音盤。混声合唱団ヴォルケと合唱するにふさわしい、ロシアのウクライナ侵攻に胸を傷める人々の心に寄り添える曲として私たちの心に響くでしょう。

 

ロビーでは登紀子ブランドの日本酒販売も
今年のラベルは「果てなき大地の上に」

 加藤さんは30年にわたり多可町で「日本酒の日コンサート」を開催。お米づくりをして登紀子ブランドの日本酒生産もされています。今年のラベルには「果てなき大地の上に」をデザイン、当日は販売も予定されています。また、加藤登紀子「日本酒の日」コンサートの歩み、加西市の銘酒の紹介や山田錦関連パネルの展示も行われます。
 
 「未来に向け酒米山田錦をつくり、守っていこう」と企画された加西市制55周年記念コンサート。心より平和を願う加藤登紀子さんの歌声が、穏やかな秋の空気に包まれた山田錦を育む北播磨から、世界の穀物庫と呼ばれるウクライナの人々の心へと飛翔していくことを願ってやみません。

 
【公演情報】
加西市制55周年記念
加藤登紀子 日本酒の日コンサート2022
~~果てなき大地の上に~~ 
10月1日(土)16:00開演(15:00開場)
加西市民会館
加西市北条町古坂1-1
0790-43-0160

西脇市