&smileインタビュー~玉木 新雌さん~

まいにち ぜんぶ たのしむ

伝統的な播州織を、独自のスタイルで進化させ、肌触りがよく柔らかい唯一無二のショールを完成させた玉木新雌。今や、その作品は綿やウールのショールに留まらず、セーターなどのニットやデニム、麻の作品など、枚挙にいとまがない。
今も進化し続ける玉木新雌のコンセプトは、「まいにち ぜんぶ たのしむ」。動物や子どものように今を楽しむこと。
 

 「毎日、全部、楽しんでいますか?」って聞かれて、「うん、楽しんでる!」って言える人は少ないですよね。でも、子どもとか動物とかは、毎日を精一杯楽しく生きていますね。私たちもそちらにシフトしていこうって。「まいにち、ぜんぶ、たのしむ」には、一瞬一瞬を楽しまないといけないっていう私たちの想いを込めています。
 

楽しめる場所を作りたい
夢を抱いて社会に出てくる若者たちが、テンションをあげられる場所づくりができればいいなと思っています。自分が納得してとても楽しい時間を過ごせたからこそ、次の世代の若者に、私と同じようにクリエイションすることを楽しんでもらえたらと。

ただ、皆がクリエイションすることを楽しめているかって言うと、もちろんそうではないけど…。そういう若者が増えたら絶対面白くなると思います。播州織の産地としてはもちろん、世の中全体でも。若者たちのチャンスを削がないように、失敗を含めて挑戦できる環境を作りました。スタッフも、次から次へと面白い人が来ていますから、やっぱり人が楽しめる場を作るってことが大事だと思います。

播州織の染色工場の跡地に拠点を移せたのも、導かれている感じがあります。初めてこの場所を訪れた時は、まるで原風景のような、川があり、山があり、古墳がある景色に癒されました。播州織が加古川のこちら側でスタートして、繁栄とともに川のあちら側に流れていったという歴史を考えると、原点であったこの場所で作品を作れるのは、導かれて来ているなって思えたんです。その瞬間から、何も考えず、川の流れに身を任せて浮いている感じですね。

私は、嫌なことは嫌って言いますが、「歴史を刻んでやる」って、自分からがっついていた時よりも、来たものを拒まず受け入れてと言う風に変わったことで、すごくいい流れになったかなと思います。

 
tamaki niime shima
播州織のアンテナショップとしてオープンしたtamaki niime shimaは、自社・他社の垣根を越えた地域を盛り上げるためのお店。「良いものなのに紹介しないのはもったいない。発進することが得意な私たちがその部分を担うことで拡がりを作っていきたい」。播州織の作品だけでなく、玉木新雌が厳選した食品、tamaki niimeの田畑で育てた農薬不使用のお米や野菜が並び、店内ディスプレイも地域のクリエイターの作品を展示している。

 
買い物する場所ではなく癒される場所に
玉木新雌が描く壮大な未来は、衣食住を通して体験できる[niime村]。人を楽しませることを考えると、自然と自分も楽しくなる。tamaki niime敷地内には羊や山羊といった動物がおり、ふれあうことが出来る。

その昔、家の田畑で作った米や野菜・山菜を食べ、家の鶏が産んだ卵や時には田畑を荒らす猪や鹿の肉を食べ、自宅で子どもを産み育てる生活があった。人の気持ちも生活も変わって行きつつある今、玉木新雌が描く未来は、昔あたりまえだった生活に立ち返ること。

「私が今あるのは、玉木新雌が何者かわからない頃からかかあ割を持ってくださった方々のお陰」と、初心に返り感謝の気持ちも忘れない。インタビューの間に「ありがたい」の言葉が何度も出てきた。

「私はただ流れに乗って来ただけ」。飾らない笑顔の中に優しさと強さを併せ持ち「まいにち ぜんぶ たのしむ」玉木新雌は今も進化し続ける。

 
 
 
【企業情報】
有限会社玉木新雌
tamaki niime Shop&Lab
西脇市比延町550-1
TEL.0795-38-8113
open:11:00-17:00/closed:月・火曜日
 
shima
西脇市嶋447-1
TEL.0795-27-8227
open:10:00-16:00/closed:月・火曜日
 

西脇市