怖い!犬の歯周病を口腔ケアで予防しよう

 犬は虫歯よりも歯周病になりやすいってご存じですか?これには口腔内のpH(ペーハー)が関係しているのですが、ペットとして飼育されている3歳以上の犬の約8割が「歯周病予備軍」と言われています。
 
その歯周病、侮ってはいけません。歯茎が腫れたり赤くなったりする「歯肉炎」から顎の骨が溶けてしまう「歯周炎」へと進み、歯を抜かなければならなくなったり、さらに悪化すると目の下に穴が開いてしまうこともあるのです。
 
2022年6月、政府が「国民皆歯科検診」の導入を検討していると報じられました。歯の健康を維持して他の病気の誘発を抑え、医療費を抑制する狙いがあるのだとか。逆にいえば、口腔内が不健康だとさまざまな病気につながるというわけです。歯周病の原因である歯周病菌が血液にのって全身を巡ると、心臓疾患や脳疾患、糖尿病やがんのリスクまで高まると言いますから怖いですよね。
 
これ、犬も同じなんです。前述の通り、犬は歯周病になりやすい性質を持っていますし、うがいなどで口をゆすぐこともできません。もちろん、自分では歯も磨けませんから、歯周病予備軍が予備軍ではなくなり、それが万病のもとに……。
 
では、どうすればいいか。飼い主さんがしっかりと口腔ケアをしてあげればいいのです。小さいときから歯みがきに慣れさせておくのが理想ですが、年齢を重ねてからでも遅くありません。まずはお口周りを触ることから始めて、次は指、次は歯みがきシート……わんちゃんのペースで進めていきましょう。
 
そしてもう一つ、歯周病予防に有効なのが「唾液」です。唾液の分泌を促すマッサージをしてあげて、シニアになっても自分の歯を保ち、ごはんをもりもり食べられる、健康寿命の長い“犬生”を送らせてあげませんか?

 
 
【プロフィール】
日本ペットマッサージ協会認定
ペットマッサージセラピスト
トータルペットケア KOKORO
岡部 充代さん

柴犬・ももを家族に迎えたことをきっかけに、動物とご家族のお役に立てる資格を取得。現在ペットマッサージセラピスト、出張ドッグトレーナー、ペットシッター、アニマルコミュニケーターなどとして活躍中。動物虐待や殺処分がなくなることを願い、WEBメディア『まいどなニュース』にて取材・執筆活動も。

 
 
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