子育てするなら 多可町~多可町長 吉田一四さん【アンド・スマイル interview】
平成17年、旧多可郡中町・加美町・八千代町が合併して生まれた多可町。山田錦発祥のまち、杉原紙発祥のまち、そして敬老の日発祥のまちとして知られています。平成28年には敬老の日制定50周年記念式典が秋篠宮ご夫妻ご出席のもと盛大に行われました。
このように多様な特性を持つ多可町が現在力を入れていることの一つに子育て政策があります。
『子育て世代に優しいまち多可町』の吉田町長にお話を伺いました。
多可町は「ちょうど良い田舎」
「多可町はどんなまちですか?」と聞かれた時、多可町には山田錦・杉原紙・敬老の日発祥の地と三本の柱がありますが、職員がいつでも多可町の「営業マン」になれるように月に一回、講習会をしています。多可町にしかないものをPRして、多可町を印象付けられたら、と思います。
先日「こどもふれあいトーク」という、町内の中学3年生のみなさんと話す機会があり、私は「多可町はちょうど良い田舎なんやで」と話しました。神戸・姫路・大阪からもドライブで来るのにちょうどいいくらいの距離がある。アンド・スマイルの読者のみなさんからは同一の圏域になるので、ちょっと買い物やランチに来てもらったり、ラベンダーパーク多可や多可町余暇村公園もあるので、自然があふれた場所に遊びに来て頂きたいですね。日帰り出来る距離ですが、あえて泊まって頂くと夜の多可町も素敵ですよ。
実体験から生まれた「子育て政策」
町長就任が昨年の11月末だったので、今回の予算が私が初めて取り組む予算になります。その中でも特に「子育てするなら多可町」を前面に出した予算づくりをしたいと思っています。
人口が減っていると当然赤ちゃんも減っている。元々人口密度が低いところに「赤ちゃん密度」も低くなるから、同じような赤ちゃんを持つお母さんが周りにいない。出産後、お母さんは赤ちゃんの事で悩むと思うんですよ。なんで泣いているかも解らないし、自分も寝られないし。肉体的にも精神的にもストレスですよね。私のところもそうでした。嫁や娘が子育てで困っているのを目にしていて、でも周りに相談できる相手もいない。それは町長になる前からの実体験でした。
「子育てするなら多可町」のひとつのステップとして、アスパル(多可町健康福祉センター)という施設があるのですが、そこをリニューアルし、乳幼児を持つお母さんたちが悩みごとを相談できる「アスパルきっず(多可町子育て世代包括支援センター)」を11月1日にオープンします。また、アスパルの近隣には多可赤十字病院や体育館があり、そのあたり一帯を子供どもや医療関係者のゾーンに出来たらと考えています。旧多可町幼稚園施設に「子育てふれあいセンター」を併設して、0歳児〜乳児は「アスパルきっず」へ、就学前の子どもたちには隣接した「子育てふれあいセンター」で遊んでもらえれば。そこに行けば同じような境遇の人と出会えてちょっと相談できる。保育士さんがいて子どもをちょっと預けて休憩できる。お母さんが一息つけるような場所を作ろうと思います。それが今の政策の中心ですね。
余暇の過ごし方と健康の秘訣
余暇と言うよりも、趣味は農業です。この職になってからはなかなか時間を割けず、継いでくれるという長男に任せていますが、一週間に一回は田んぼに出て汗をかきますね。育てているのは山田錦ですが、田んぼも町や子育てと同じで、手を入れるか入れないかによって姿が変わるんですね。しっかりする為には手を入れなあかん。それほど手塩にかけるのが形に出るもんです、田んぼっていうのは。
山田錦と他の稲との見分け方?今の稲刈りの時期はちょうど分かりやすいですよ。稲の背が高い方が山田錦です。また、稲刈りをする時期も違って、食べるお米の方が先に黄金色になり、山田錦の田んぼはまだ青いです。今年は台風がありましたが、先日の酒蔵の検見でも無事に出来そうだという事で安心して帰られました。今年も多可町のお米を使った美味しいお酒を楽しみにしていてください。
健康のためにしていることといえば、週に一回の田んぼもそうですし、以前は徒歩通勤をしていました。真っ直ぐ歩いたら18分ぐらいで着いてしまうので、30分ぐらいになるようにぐるっと回って。でも車社会なので歩いているとすぐ「どうしたの?」と声をかけられますね。仮庁舎は遠くて歩けなかったので、また新庁舎から歩き始めます。
「ふれあいまつり」にぜひお越しください
11月4日に多可町最大のイベント「ふれあいまつり」を行います。昨年まではふるさと産業展という名前でしたが、秋の一大イベントということで祭りの要素を大いに出していきますので、皆様ぜひ遊びに来てください。約80のブース出店、マイスター工房八千代の長い巻き寿司づくり、最後は福もちなげで、一日楽しんで頂きたい。ステージイベントでは老人クラブ連合会の皆様の協力のもと、敬老の日発祥の地ということを前面に押し出した面白いステージを企画しています。敬老の日はみなさんご存じですが、発祥の地というのは知られていないのでPRしていきたい。〝発祥のまちのおじいちゃんおばあちゃん元気やで〞というのを見せて全国に発信していきたいと思っています。
(10月3日インタビュー)