ねこもかぞく ほんのり俳句コミック【図書館からおすすめの一冊】
我が家の白猫は、8年くらい前に加東市内の某図書館のソファに座り込んでいた元ノラである。天国送りになるすんでの所で我が家に招いたので、家族はなかなかに思い入れがある。
タイトルに惹かれてこの本を手に取ると、俳人である著者が選んだ、さまざまな家族の情景を詠んだ俳句が88句書かれており、著者の解説やエッセイ、ショートストーリーとともにふふっと笑える漫画が描かれている。
俳句には必ずしも猫が詠まれているわけではないのだが、漫画には必ず猫たちが出演していて、こんな解釈もできるのねと楽しい。
子雀(こすずめ)を拾(ひろ)ひてよりのあにいもと
著者の解説では、「子雀」が春の季語で、スズメの雛を拾った兄妹がこれから育てようとしている。拾った後のことは省略されているので、読み手にいろいろと想像の余地を与えているとのこと。微笑ましい兄妹の情景が思い浮かぶ。
さて、その俳句を漫画にしてあるのには、屋根から雀のヒナが、マロンという成猫の前にポロンと落ちたのである。マロンの反応はどうだったのか。
確かめたい方は、ぜひ図書館でご覧ください。
我が家のおばさん猫の反応を想像すると恐ろしいものがあるが、本人(猫)は、今日も相変わらず、家の周りのパトロールに励んでいる。
加東市中央図書館 田中美紀子
書籍情報
『ねこもかぞく ほんのり俳句コミック』
堀本 裕樹/著
ねこまき(ミューズワーク)/漫画
さくら舎/刊