感情の問題地図【図書館からおすすめの一冊】
あなたが、感じているストレスは何ですか?ストレス社会と言われ続ける現代、仕事をしていて、強いストレスを感じている人は約6割います。(厚生労働省・平成29年「労働安全衛生調査」平成30年8月28日付より)
仕事の有無に関わらず、誰もが、何らかのストレスを抱えて生きています。一人でこなさなければならない事が増え、どこかでつまずくと「できない人」になり、成果ばかり求められ、プレッシャーは増え、何をするにも十分な時間がない。達成感を感じられないまま終点が見えない電車に乗せられている。そんな悪循環を感じていませんか。そのストレスの裏にあるのが「感情」です。これまでのストレスに関する多くの本は、「感情をコントロールする」「ストレスとなる感情を解消する」など「感情」が悪いものと捉えられがちでした。
しかしこの本は、「感情」を味方につけることで、ストレスから自分を守る方法を教えてくれます。章ごとに「怒り」「悲しみ」「落ち込み」「不安」の4つの感情が持つ意味や機能を紹介しています。
例えば、「怒り」は「大事なものが傷つけられている。守るために行動した方が良い」というサイン。怒りによる言動は、大事なものを守る行動です。「怒り」の感情が現れた時に、行うべき4つのステップと、他者への効果的で即効性のあるアプローチを教えてくれます。
また、「怒り」を他人に伝える場合は、DESC法(描写する・説明する・私にとって大事なものなので傷つけないでと率直に言うことも必要・提案する・選択してもらう)の活用。自分には、セルフコンパッションという免疫機能回復エクササイズを紹介しています。
臨床心理士である作者が、最新の科学的根拠に基づいた認知行動アプローチをイラストで、分かりやすく紹介しているのが、本書の特徴です。まずは、付録の「感情の問題地図」を見て、自分のモヤモヤが、どの感情なのかを見つけましょう。
小野市立図書館 和田真由
書籍情報
『感情の問題地図』
関屋裕希 著
株式会社技術評論社