さむがりやのスティーナ【図書館からおすすめの一冊】
スティーナはとてもさむがりやの女の子。
スカートをはくときはモコモコのレギンスをはいて、それから膝まで届く長い靴下をはいています。夏でもアイスなんて食べられないし、プールにだって行きません。そんなスティーナの一番安心できる場所は、お家のベッドの白くて大きいはねぶとんの中です。
冬の間スティーナは絶対に外には出ません。冬がやって来ると大きいはねぶとんに包まって、朝は暖炉のそばで温かいポリッジを食べて本を読み、夜はベッドの中で月とかくれんぼをして過ごします。そして昼間には寒くならないためのいろんな発明をします。「ふたつとびられいぞうこ」「つまさきゆたんぽ」「カップようミトン」などのユニークな発明品が登場します。スティーナはやらなきゃいけないことがたくさんあったので、外で遊ぶ子どもたちのことはほとんど気にしていませんでしたが、冬が深まるにつれだんだん興味がわいてきます。しかし、外はどんどん寒くなって、ベッドから出るのもどんどん大変になっていきました。
とある吹雪の日、扉を叩く音がしてひとつの出会いがあります。吹雪がおさまった時スティーナはあることを思いつくのです。
北欧アイスランドからやってきた絵本。実は冬でも首都レイキャビクの平均気温は0度と想像していたより寒くありません。ですが日照時間は短く風が強いので体感温度は下がるようです。日本と同じ島国で火山や温泉もあり遠い国のことも知りたくなります。
さむがりやでも色々な工夫をして暮らしている姿もおもしろいですが、何かに気がついた彼女の表情はとても魅力的です。また絵本に登場する発明品は設計図が載っています。他にも遊び、レシピなど寒い時に試したくなるアイディアも満載です。おしゃれでかわいいイラストと、温かくなるストーリーで子どもから大人まで楽しめます。
三木市立中央図書館
書籍情報
『さむがりやのスティーナ』
ラニ・ヤマモト/著
朱位 昌併/訳
平凡社