ぷち旅~お参り1~ 逆打ち四国八十八ヶ所霊場めぐり

2020年の節目の年。心を静めてお参りはいかが?

逆打ち四国八十八か所霊場めぐり ~お遍路の旅~

弘法大師空海が修行され、開創されたお寺をめぐるお遍路さん。

いつもなら、第一番札所の霊山寺(りょうぜんじ)から第八十八番札所の大窪寺(おおくぼじ)まで、順番に「順打ち」でまわっていくのですが、今年は4年に1回の閏(うるう)年。逆順にまわると3倍の功徳が授けられるという「逆打ち」の年です。初めての方も、何回目かの方も、地元の方とも触れ合いながら、記念すべき2020年に1ヶ寺1ヶ寺お参りしませんか?

 

第四番大日寺(だいにちじ)

 

第二十四番最御﨑寺(ほつみさきじ)

 

第八十五番八栗寺からみた屋島

 

どうして逆打ちが始まった?

平安時代初期のこと。伊予の国に住む「衛門三郎」は、ある日屋敷の前で托鉢をしていた僧侶を追い返してしまいます。けれどもその僧侶は、次の日もまた次の日も現れました。いよいよ怒った衛門三郎は僧侶の托鉢の鉢を竹のほうきで地面にたたき落としてしまいます。すると鉢は八つに砕け僧侶も姿を消しました。

けれどもその翌日から、衛門三郎の八人の子供が次々と病に倒れ亡くなっていきます。追い返した僧侶が弘法大師であったことを知った衛門三郎は、自分の行いを悔いて弘法大師に謝ろうと、大師のあとを追い四国遍路の旅にでました。けれど20回まわっても、弘法大師に逢うことすらできません。

そこで、衛門三郎は21回目に第10番切幡寺(きりはたじ)から逆まわりにお遍路さんをまわりはじめます。そしてついに、第12番札所焼山寺(しょうざんじ)に上る途中、現在の杖杉庵(じょうしんあん)にてようやく大師に出会いわびることができました。

衛門三郎が逆打ちをまわりはじめた年が閏年(うるうどし)だったこともあり、閏年に逆打ちでまわると弘法大師に逢えると信じられるようになりました。お遍路さんの道順は「順打ち」でまわるように道しるべがたてられているので、反対にまわる「逆打ち」は道を探すこともたいへんです。「順打ち」よりも困難がおおいため、「逆打ち」は3倍のご利益があるとも言われています。

右衛門三郎霊跡(杖杉庵・じょうしんあん)

 

八十八番から順にご朱印をいただく逆打ち納経帳

 

 

さらに不思議なこんなお話

「衛門三郎」は弘法大師に出会ったそのあと、死期がせまっていたこともありすぐに息をひきとりました。そして、来世は河野家に生まれたいという願いを弘法大師に伝えると、大師は「衛門三郎再来」と書いた石を彼の左手に握らせます。そして翌年、河野家に子供が産まれました。赤ん坊は、左手を握ったまま、なかなか手を開こうとしないので、心配した両親が安養寺(現在の五十一番札所・石手寺)で祈願したところ、赤ん坊は手を開き、「衛門三郎再来」と書かれた石が握られていました。生まれ変わった衛門三郎は伊予の国主として、その後善政を行ったそうです。

 

よっぴぃのコメント 

結願まで長丁場になる四国のお参り。グループで行くと、毎月毎月一緒にお参りする方とどんどん仲良くなっていき、次の日程が待ち遠しい。地元の方とのちょっとした会話やお接待にも人と人とが触れ合うことのあったかさを感じ、行く先々のお土産屋さんや山門の前で売られているお野菜などをちょこちょこ買っていくのもたのしみです。のんびりと時間が流れる四国の中で、黙々とスケジュールをこなす巡礼の旅。いつもの「観光」とはまた一味違うお参りの魅力がありますね。

 

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