Kumiしらべ~東播染工株式会社~
東播染工株式会社(TOBAN-TEXTILE)
毎日着ている服・スーツ・制服etc.
日頃身にまとっているものだけど、服として出来上がった状態で売られていて、服として出来上がったものをいつも目にしていて、服になる前のことってなかなか知る機会がないですよね~。
今回は服になる前の、布になるまでの工程を工場見学させていただきました☆
今回伺ったのは西脇市にある東播染工さん。
西脇市街地に白い煙がモクモクとあがっている煙突のある工場。いつも何気なく通っていたその工場が織物の工場だったことを知らなかったので、まずそれに驚きました。
ご案内下さったのは、テキスタイルラボ プランナーの足立直人さん。
工場は染色と織機の建物が別々になっていて道を横断して見学しました。
工場の詳しいことが、簡単なようだけど複雑で…でも工場内は初めて目にするものばかりでワクワク♪写真を撮ったり機械に夢中になりまして(^^;
まずは染色部門
コーン(原糸)を網目の粗い円柱の【チーズ】というものに巻いていくその部屋は、糸を巻くための機械がたくさん動いていて、それだけでもの凄い音!!声がなかなか聞こえないんです!めちゃくちゃ声を張り上げて、やっと聞こえるくらい。
網目があるのは糸を巻いた後、全体を染まりやすくするためだそうです。
チーズに巻く際、小銭のような重りが置いてあったのですが、その重りはチーズの巻きの固さを均一にするためだそうです。
巻いている機械の向こうから自動で動いている機械は、綿埃などを吸い取ってくれる掃除機だそう。
もっと大きなものだと、ビームという1.37~1.42mの大きさのものもありました。
色見室の前にはたくさんの色見本があり、色とりどりの糸がズラリと並んでいて、とても綺麗で鮮やかでうっとりしてしまいました
同じように見えるけれど、一つの色味でも種類がたくさん!
全部で約20万色はあるとのこと。この見本からお客様のニーズに合ったものに近いものを試して染めていかれるそうです。
その日その時の気温、気候などによって多少色は変わるとのこと。
こんなことを言ったら色を作ってお仕事をしている人や、お客様に怒られるかもしれないけれど、「その日その時で色が変わる」って、なんだかステキだなと思っちゃいました。
その日の水や温度や気候で、日々違う色が出来てくるってすごくステキだなーって♡
実験室のような所では、杉原川から水を汲み上げ不純物を取り除いた水を使い、時間と温度調節をしながら色を染めていました。
染色はチーズ1個から、まとめて300個まで染めることもできるそうです。
染められた糸は糊付けされます。
糊付けは糸に強度をつけるため、毛羽を整えるために必要な工程だそう。
糊がついているものとついていないものでは全く手触りが違いました。
次に道路を横断して織機部門
大きな大きなビームに巻かれた糸の先に女性がいたので少しお話しました。
日本の方だと思って話しかけたら、片言でお話しくださって、播州織という地域ならではの場所でも海外の方が働いてくれていることに、ありがたく、嬉しく思いました。
…と、その話は置いておいて(笑)。
ビームに糸を巻く際に、一つ一つ糸を通していく作業をされていて、この時の糸で7540本。
この作業、細かい!細かい作業で、それを7540本!
尊敬の念が深まりました。
次に行った部屋では、たくさんの機械で布が作られていて、たて糸・よこ糸がどうなっているのかがわかりました。
ここで一つお勉強!
漢字でたて糸は「縦糸」、よこ糸は「緯糸」と書くんですよ!
「経緯(けいい)」を辞書で調べると織物のたて糸とよこ糸と記載されていて、一説によると「織物から経度と緯度がきた」とも言われているようです。
このたて糸にのみ、糊付けされるそうです。
たて糸とよこ糸で織られ出来上がった布は、糊を抜く作業が行われるのですが、その際火を使って生地の表面を綺麗にするという工程が入っていました。
思わず「燃えないんですか?」と質問してしまった私です(笑)。
燃えていたら工場が存在していないですよね(^^;
その後、布に樹脂加工として、抗菌防臭やUVカット・消臭・吸水速乾などなど…多数の機能をつけることができるそうです。
私は服になった段階で加工されると思っていたので、布の段階でUV加工などが施されていることに驚きました。
最後に検反(けんたん)といって、織り上がった生地にほつれや傷・汚れがないかをチェックする作業があります。その検反は機械ではなく、人の目でやっていました。
生地の後ろから光を当てて目で確認している女性がズラリ!
見学に行った時も、実際にほつれや傷を見つけられていましたが、すごく集中力のいる作業をこなしている皆様に感服!
今回、取材という事で中に入り見学することができ、なかなか見ることのできない工場内を見せていただきましたが、
●糸をつむぐ機械の音
●独特のにおい
●糸から出る綿埃
すべてが新鮮で、知らないものを知り触れられるって、とっても楽しかったです。
工場見学は基本的には取引先や取材の方だそうです。
足立さん、いろいろとありがとうございました!
みなさんも今着ている服がどうやってできているかなんて、何気なく過ごしていたら考えも、思いつきもしませんよね。私もです。
ふと立ち止まって、今、自分が何か触っている、その「何か」ができるまでの工程を考えてみたら、新しい発見があって楽しいかもしれません♪
会社情報
東播染工株式会社
西脇市高田井町224
TEL:0795-22-1001
https://www.toban.jp/
Kumi くみ
家は加東市。
今ハマっている食べ物はプリン。
『やりたいことは、とにかくチャレンジ!』をモットーにしています!
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