北海道編 函館・余市・岩見沢・夕張の旅(その4)【OB首長~気まま旅~ 】
北海道観光の穴場は 「岩見沢」
北海道の観光パンフを見ても岩見沢(人口81、654人/面積481平方キロ)がどこにも出てこないのは何故か…札幌と旭川に挟まれた単なる通過都市なのか…私の興味をそそった。
市役所に観光主幹の長坂氏を訪ねたのは、ちょうど3時。待ち構えていた彼は、早速マイカーで先導を始め「いわみざわ公園」に着いた。高速道路(道央道)に近く、187ha(多可町余暇村公園の25倍)もの規模を誇る都市型公園である。
いわみざわ公園(8万株を誇るバラ園)
丘陵地の大きな観覧車からは石狩湾が望め、人気があるという。また園内の観光バラゾーンは種類が豊富で魅力的だ。技家のゾーンも含め、とにかく規模(8万株以上)が大きいのだ。ただ関西人の私から見ると『オフシーズン』がもったいない。
「旭川方面から新千歳まで、高速道路なら札幌まで戻らねばならないが、岩見沢から新千歳空港に通じる広くて走りやすい道があり、この方が早く行けるのだ」と彼は呟いた。
『中途半端はダメ。この公園を日本一の規模を誇るハイウェイオアシス(淡路島にある施設以上に)にすれば良い』と私は閃いた。
正三角形の一辺の距離である。ここで「道央道」を通って空港に送る観光バスを降ろすのだ。札幌からも観光客を引き寄せるのだ。岩見沢は、国内外の観光客を『フルシーズン』誘客することが可能となり、輝きを増す。
日本一のログハウスに泊まる
日本一のログハウス・メープルロッジ
宿泊は彼が手配してくれた「ログホテル・メープルロッジ」。改装直後の洒落た建物で、日本で一番大きいログハウスだ。
こちらも20ha(ラベンダパーク多可の4倍)の広大な敷地の中にあり、宿泊施設のほか、グランピング空間など多才なアクティビティが充実している。近くには観光果樹園もある。「予約でいっぱい」との嬉しそうな説明にも合点がいった。
小振りのリンゴは美味しいし、ワインもいける。白菜の収穫量は日本一だと知った。
「本州が温暖化のため、北海道のリンゴに人気が出てきた」と長坂氏はPRを忘れない。
朝食の折、窓辺の餌台に現れた「リス」が、宿泊客の目を楽しませてくれた。可愛い姿に心が和んだ。
エゾリス
夕張市を訪ねた
「財政破綻したまち」としてマスコミに登場するが、このまちの実態を自分の眼で確かめておきたかったからだ。
面積は763平方キロ…「丹波市+多可町」の広さとほぼ同じだ。人口は8、066人まで減っている。かつては炭鉱産業で栄えた有名自治体だが、2006年に巨額の負債(353億円)が発覚し(財政再建団体に移行)、18年をかけて返済中である。
住民負担は格段に増え、サービス水準の低下が重なり、これが更なる人口減少を招いたのだ。6つあった小学校は1つ、3つあった中学校も1つ、雪下ろしの委託費さえ出せなく、公的施設の老朽化は著しいと聞く。
「黄色いハンカチ」のロケ地を思い出させる昭和の雰囲気と昔のポスターが哀愁を誘う。中心部でもシャッターの下りた店舗や空き家が目立つし、メイン道路に人影はない。入居者のない市営住宅らしき高層建物がやたらと目に付いた。
大きな庁舎が往時を偲ばせる。いくら私でも、さすがに「アポなし」で鈴木市長を訪ねるのには気が引け(庁舎には入らず)車窓から見るだけに止めた。
破綻の原因を探っても仕方がない。「他山の石」として捉え、自らへの戒めとした。
「夕張メロン」の成功例もある。このまちの再興と未来創造に期待を寄せたい。
やっぱり〆は 「札幌ラーメン」
旅の終わりに、ラーメンが無性に食べたくなった。本場の札幌ラーメンをまだ食べていないのだ。空港内の「ラーメン道場」に入ると、北海道の有名ラーメン店が出店しており、何処の店も賑わっていた。函館からは「あじさいラーメン」。これを食べると、また一からのスタートとなる。最後はやっぱり「札幌ラーメン」だ。人気店「けやき」で、少々濃いめの味噌バター(コーン入り)を食べて、気まま旅の〆とした。無事、帰郷。
=北海道編:おわり=
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