沖縄編(その1)「美ら海」の感動 【OB首長~気まま旅~】

はじめての沖縄

沖縄は唯一の未訪問県であり、以前から一度訪ねたかった。退職後のフリーな時間がそれを叶えてくれた。「観光のみ」と心に決め、知人の首長にはあえて連絡は取っていない。まったくの「気まま旅」である。

これぞ 観光と保養の地

沖縄の海は実に美しい。プライベートビーチや有名ホテルがあちこちに目立つ。

目にするすべてが絵になり写真になるのだ。何となく東シナ海を眺めているだけで、日頃の煩悩が飛び去って行くのが自分でわかる。

西海岸の「万座毛(まんざもう)」は、象が海で水浴びをしているような琉球石灰岩の断崖(奇形)で、古代から心を癒やす景勝地であったろう。

珊瑚の海を見事に活かした「美ら海水族館」は、想像を超えて圧巻だ。沖縄観光の人気ナンバー1というこの施設は、子供達も楽しめるが、大人をも十分に満足させる。背景の海岸景色を含めて、おそらく世界一級のキレイな水族館だと思う。

エメラルドグリーンの海を跨ぐ「古宇利島(こうりじま)大橋」を見下ろすビューポイントは、絶対に見逃せない。私がこれまでに見た、どこの観光地のどの景色よりも、はるかに美しく「この世の絶景」と賞賛したい。一瞬、「天国に来たのか・・」と錯覚するほどの美観だった。

景勝地:万座毛(まんざもう)

 

沖縄の歴史を訪ねて

今帰仁城(なきじんじょう)は世界遺産だ。琉球統一前の三山時代に北部地域を支配した北山王の居城跡で、歴史好きの私には見応えがあった。13世紀の築城と聞く。野面積みの城壁がそびえ、遠望が利くとともに、沿岸と近海の濃淡のコントラストがあまりに見事で、心を引き付ける。

宿願だった「首里城(しゅりじょう)」も訪ねた。450年間も続いた琉球王朝の、まさに「朱の王宮」である。正殿の高さは18mあり、この木造建築は沖縄最大の規模を誇るという。もちろん、こちらも世界遺産だ。全容の規模は違うが、以前に訪ねた中国の「紫禁城」を思い起こさせた。「西(いり)のアザナ」と呼ばれる展望台からは那覇市街地が一望でき、海の美しさを再確認できた。往時と同じ海の色のはずだ。

沖縄を表すには「美ら海」という言葉がよく似合う。

今帰仁城(なきじんじょう)からの遠望

 

沖縄で気付いたこと

その一つは「インバウンド」である。本島の何処の観光地も外国人が桁違いに多く「ここは本当に日本なのか」と疑ったほどだ。首里城では中国の婦人グループ(婦人会旅行?)と遭遇したが、その人数と歓声は半端ではなかった。ホテルの宿泊客はどうみても外国人が7割を超えており、もはやインバウンドなどと言える規模ではない。空路もさることながら、海からの入り込み数が圧倒的に多いのであろう。

沖縄は(地理的にも歴史的にも)中国福建省や台湾、東南アジアの国々との関係がもともと密接で、気候・風土もよく似ているのだ。

もう一つは「地名と苗字」である。私たちがよく耳にする沖縄苗字は、地名をそのまま取ったものが多いようだ。浦添、名護、金武などの苗字は自治体名そのままだし、具志堅、仲宗根、与那嶺、宮里なども地区名のようだ。

血縁と地縁の強さと固さが、この島を守っていると感じた。

(ふるさと未来塾 主宰 戸田善規さん)

 

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