華かれんのつれづれミニト~ク【華かれん うめおか】
「悉皆(しっかい)」という言葉をご存知ですか?本来は「ことごとく皆。全部」という意味。
着物の世界では「悉皆屋」と呼ばれる人がいます。着物のお手入れや直しをしてくれる人です。ただし、本当にその人がするのではなく、着物に施された技術(染めや刺繍など)によって、それを修繕するのに最適な技術者を選んで依頼する役という、いわば着物の直しのプロデューサーのような存在です。着物のことも、技術のことも、職人のことも「ことごとく皆」知り尽くしている、それが悉皆屋です。
おうちのタンスに眠らせたままのお着物を悉皆屋さんに見てもらいませんか?
「たいしていい着物でもないやろからええわ~」と思ったそこのアナタ!過去には、なんでもなさそうなお着物が、持ち主も悉皆屋さんもびっくりするぐらいの貴重なものだった、なんてこともありましたよ!あまり先入観を持たず、なんでも見てもらいましょう!鑑定に出す訳ではないですしね(笑)。
『着物の直しって、どんなことができるの?』…若いころのピンクやオレンジの色無地をシックな色に染め替えたり、八掛(裏地)を落ち着いた色に交換したり、カビが生えてしまった喪服のカビ落としやシミ抜き、袖丈や身巾直し…思い切って羽織を名古屋帯に仕立て直すこともできます!ほかにもいろんな技術がありますので、「もうこの着物はこのままでは着られないな…」なんて諦めているものでも、素敵によみがえるかもしれませんよ!
着物って、安いものではないですし、作った人の想いもこもっているものなので、是非末永く大事にして頂きたいと思っています。
前回の記事はこちら↓