火狩りの王(全4巻)<一>春ノ火【図書館からおすすめの一冊】

 
人類最終戦争後、世界は黒い森におおわれ、人々は結界に守られた村の中で細々と暮らしていた
 
人は、自然の火に近づくと体が発火して死ぬようになり、唯一安全に使える火は森に住む炎魔からしか採れなかった。その炎魔を狩り、火を手に入れることを生業にしているのが、「火狩り(ひかり)」だ。
 
ある日、主人公の灯子は黒い森で炎魔に襲われ、偶然居合わせた火狩りに命を助けられるが、火狩りの男は命を落としてしまう。
 
火狩りの形見である狩り犬のかなたと火の鎌と守石を家族へ返すため、灯子は首都へ向かう。
 
一方、首都に住むもう一人の主人公火狩りの息子の煌四(こうし)は、母親を病気で亡くし、体の弱い妹を守るため、裕福な燠火(おきび)家に身を寄せる。煌四は当主の油百七(ゆおしち)から雷火(らいか)を使った武器の開発を秘密裡に頼まれる。
 
煌四は、調べていくうちに「千年彗星(揺るる火)のかかえる火があれば、人は黒い森に脅かされずに暮らせるようになる。」という言葉を見つける。そして、その星を狩ったものは「火狩りの王」となると—。
 
そして近々、この「揺るる火(ゆるるほ)」が帰ってくるといううわさが火狩りの間で広がっていた。
 
やがて、煌四は雷火を使った武器を完成させるが…。
 
作者の日向理恵子さんは、みなさんご存知の「雨ふる本屋」シリーズを書いています。
今回の「火狩りの王」は、読者の年齢層がぐんと上がり、大人でも十分楽しめる壮大なファンタジーになっています。全4巻でアニメ化も決定しているとのこと。日向さんの新境地をこの機会に堪能してみませんか。
 
西脇市図書館 堀江 佳代
 

書籍情報

『火狩りの王』(全4巻)<一>春ノ火
日向 理恵子/著 
山田 章博/絵 
ほるぷ出版

 

コラム 西脇市